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まぼろしの迷機 ミニブリッジM4
基本確度±1%の高性能ミニブリッジM1が発売されたのは東京オリンピックの年1964年でした。電池式で小型軽量,広範囲で低価格の交流ブリッジとして認められ,弊社としては多数のご注文を頂きました。その後M1シリーズはより高精度を追及したM2,動作帯を1MHzまで広げた高周波用M3,メカカウンタ表示の最軽量・最小のM1D,M5,イージーバランスのM6,LCDデジタル表示の集大成D1S等に進化,発展しました。このfamily treeの中に M3とM5の間に入るべきM4がない事をお気付きかと思います。M4は1970年代に一台だけ作られ,陽の目を見なかった試作機なのです。
上の写真の様にミニブリッジM4(左)はM2試作機(右)と同じサイズで,当時珍しかったメカカウンタを左右に配置してD,Q辺とバランス辺の値を表示し,レンジ切り替えには押しボタンスイッチを使って左右対称のデザインを目指しました。ところが当時は適当な8レンジの押しボタンスイッチが市場に無く,代りに6レンジスイッチを使用したのが失敗で,M2並の広い測定範囲を得るために内部標準C,Rを2段に切替える羽目になり,バランス,D,Q値共に余計な換算を要し,設計者が首をひねる有様でM2の使い易さを越えるに到らずプロジェクトは廃棄され“幻の名(迷)機”となりました。後継機のレンジスイッチには迷わずロータリースイッチが使われた事,内部標準器切替えのノウハウがその後のデスクトップ型の高精度機1300,12K 等に役立った事等が僅かなプラス面です。現在,M4は40歳を越え,他の試作機と同様に動態保存中で Voyager宇宙探査機の様に時たま目を覚ましています。
M4のカタログ,回路図等の資料はありません。m (_ _) m
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DELICA 三田無線研究所